性懲りもない詐欺業者

　いつものワン切りヤミ金「金融情報センター」がまた2つの新たな電話番号「05053062958（050-5306-2958）」「05053574043（050-5357-4043）」を用意して仕掛けてきましたが、今回気づいたことがありました。夜中に電話されるより日中のほうが取ってやれないもんですね。それぞれ呼び出し4秒で記録が残っていたので、やはり2コールから3コールといったところでしょうが、本当にこのような無差別な迷惑電話は撲滅してあげたいです。

　そしてこの詐欺業者の手口はこれまでと同じままで、まずは着信履歴を残してそこからコールバックさせ、自動応答メッセージで多重債務者を選別しています。借金で追い込まれて正常な判断ができなくなったカモを探しているのです。他社で審査落ちしている方や債務整理をしている方、無職の方へと語りかけている通り、完全な多重債務者狙いです。しかも、名前がお金情報センターからまた金融情報センターへと戻しており、行ったり来たりのネーミングです。役立つ情報も何も提供していないのに「金融情報センター」です。今どきこんな異常な大量架電をしている時点でまともではありません。絶対に忘れないでいただきたいのですが、今どき消費者金融の審査にちょっとくらい落ちたくらいで、まだ融資してくれる正規の登録貸金業者はありますよ、安易に違法業者へ流れないようにしてください。

05053062958、05053574043へかけ直してみた結果

　もちろんいつも同様に着信のあった「05053062958（050-5306-2958）」と「05053574043（050-5357-4043）」へとかけ直しましたが、「お金情報センター」が「金融情報センター」に戻った以外は、最初から最後まで一言一句、これまでとまったく同一のアナウンスとなります。と言いますか、「お電話ありがとうございます。お金の悩みを必ず解決、金融情報センターです」から始まり、今後は案内不要の方はプッシュボタンの1、興味がある方はプッシュボタンの2という最後の最後まで、本当に何一つ変わっていません。名前だけを変えてあとはひたすら発信番号を変えて逃げ続ける感じでしょうか。今どき迷惑電話ですぐブラックリスト入りしますから、電話番号をかなり大量に用意してそうです。

　そして、このメッセージを聞いてプッシュボタンの1番ではなくまんまと2番をプッシュしてしまうと、「お金に困っている」との意思表示を相手に伝えることになります。そうするとまずは「お客様の電話番号から審査をさせていただいた結果、本融資を実行するには少しだけ実績が足りない状況でした。しかしながら、新しく口座を開設していただくなどして通帳とキャッシュカードを担保代わりにお送りいただけるのであれば、確認後すぐにご融資できます」などと銀行の通帳やキャッシュカード類を暗証番号ごと奪い取ろうとしてきます。

　まずここで気をつけていただきたいのですが、売却であれ譲渡であれ、自分名義の銀行口座を第三者に売却すると、たとえ社会的弱者とされる多重債務者であっても逮捕されています。いちいち報道されていないだけで、逮捕されています。以前から所有している口座を売却したなら犯収法違反となり、売却目的で新しく口座を開設したなら銀行に対する詐欺罪となり、逮捕です。一般に考えられているより重罪となります。

　そして、口座を渡すのを渋ると、次は「CICの信用情報に問題があることも確認できました。この点、携帯電話をあえて分割契約で購入し、CIC内の信用情報を上書き回復させればご融資は可能です」などと言い、新型のiPhoneやiPadばかりを分割契約させようとしてきます。では「その買った端末はどうすれば」と聞くと、やはり怪しげな買取業者を指定してきて、そこで売却手続きをしてくださいとなります。この買取業者自体は一応は古物商の許可を取っているのですが、どう見ても同じ詐欺グループというほど、口コミが異常に悪い評価尽くしです。二束三文で買い叩かれるのは必至です。

　これらはいずれも典型的な特殊詐欺となります。詐欺グループはこれらの詐欺で騙し取ったキャッシュカードや通帳、スマホ類をそのままオレオレ詐欺や振り込め詐欺に利用することになります。また、最近流行っている「アポ電」にも使われます。詐欺グループの名簿に載っている高齢者に片っ端から荷電し、お年寄り以外のハキハキした家族が電話に出ると「間違えましたー」と不審者丸出しの終話をして、しかしお目当てのお年寄りが電話に出るまで何回もその家にかけ続けるという、ワンパターンな手口です。危険ですので、この金融情報センターには絶対に引っかからないようにしてください。繰り返しとなりますが、今どき少々の借入や事故歴があろうとも、意外とすんなり審査に通過して融資を受けられる消費者金融サラ金に街金、カードローンはあるものです。

05053062958と05053574043へコールバックしないように

　この金融情報センターについて、着信があったからといって、「どこから情報が漏れているの？」と心配しなくても大丈夫です。完全に機械的に大量架電していますから。一番の対策としては、徹底的に無視することです。050-5306-2958や050-5357-4043からの着信履歴を見つけても、絶対にかけ直さないようにしてください。もっと言うなら、「050」からの着信があっても無視して大丈夫です。「050」からの着信自体を拒否設定しても問題ありません。「050」からの着信を拒否して生活に支障が出る方など、日本人全体の1パーセントにも満たないことでしょう。

　この金融情報センターは、これだけ常軌を逸した大量ワン切りを組織的に繰り返している時点で、「私たちは反社会的組織です！」と公言しているも同然です。しかも、深夜2時3時でもかけてくるくらいですから、本当に異常です。

本当にお金が必要なら

　このような明白に異常な業者に対し、「うさん臭いアナウンスだけど、話を聞くだけ聞いてみるか」などとコールバックしたあげくプッシュボタンで2番を選択しないようにしてください。まんまと餌食になるだけです。トラブルにしかならないとわかりきっている道を選ぶなど、人生の無駄遣いそのものです。

　金融庁に正規登録されてある貸金業者の中から、中小や零細の街金を選んだほうがまだ借りられる可能性があります。大手のアコムやモビット、プロミスにレイクのようなところで断られていたとしても、街金ならまだぐっと審査通過率が上がります。特に、大手消費者金融のような自動審査ではなく、きちんと自分の声が伝えられる対面融資で話を聞いてくれるところへ申し込めば、まだまだ可能性はあります。店長から説教されることを覚悟で消費者金融のエイワのような街金へ行き、話を伝えた方がまだずっと良い結果に結びつきます。

050からの着信はとにかく無視しましょう

　ということで、05053062958と05053574043はいつものワン切り詐欺グループであり、お金を借りること自体ができない特殊詐欺業者にして融資保証金詐欺業者なので、絶対に引っかからないようにしてください。

もし、05053574043や05053062958へコールバックした場合

　上述の通り、ただ興味本位で05053062958や05053574043へコールバックしたくらいでは何も心配はいりません。ただ、そこからさらに先へ進んでお金に困っているという選択肢の2番を選んでしまったなら、非常に注意が必要です。

　あわてて電話を切っても2番を押したという行為は詐欺グループに伝わっています。もう闇金から連絡があったことでしょうし、たとえ連絡はなくとも近いうちに必ず電話やショートメール攻勢が始まります。「ブラックでもご融資可能」「無職でも年金受給者でも借りられます」「給料ファクタリング対応」などとお決まりのヤミ金案内が送られてくるだけでなく、「口座レンタルのアルバイト♪」「お客様にお荷物が届いています」など、さまざまな詐欺メールを受け取ることになるでしょう。

　また、すでにこの金融情報センターの被害に遭っている方もいらっしゃるかもしれません。もしもうトラブルになっているのであれば、すぐにこの違法金融に強い専門家に無料相談してください。このまま放っておくと非常に危険です。スピードが何より大事ですし、個人レベルでは対応できないと思います。

　このような常軌を逸したヤミ金対応を得意とする司法書士や弁護士は日本中でいくつか名乗りをあげていますが、私の知る限りにおいて、現時点でこのワン切り金融情報センターへの対応にもっとも強い専門家は

エストリーガルオフィスです。闇金や各種金融詐欺問題でNHKにも登場しているのでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、この法律事務所は名ばかりの闇金対応ではなく、実際に毎月大量のヤミ金事案をこなしているまさに違法金融対応のエキスパートです。

　私の大学時代の同級生や先輩後輩諸氏には幸い、弁護士や司法書士として活躍している人間が何人もいます。ただ、その誰もが金融情報センターのような異常組織への対応を得意としているわけではありません。むしろ、まともなコミュニケーションが期待できない連中を疎んじているケースも少なからずいます。専門家としてそれぞれに得意分野がありますので、たとえ花形の企業内弁護士といえども、あらゆる社会問題に積極的に取り組んでいるわけではありません。

　トマトやナスビが並んでいる八百屋さんに行って「活きの良いタイはない？」と言っても無意味なように、離婚や交通事故を専門とする法律家に、ヤミ金や特殊詐欺問題を依頼しても時間の無駄そのものになりかねません。やはり餅は餅屋、闇金対応は闇金対応の専門家に依頼するに限ります。